◉ 日本の整体は、昭和初期 野口晴哉先生が活躍することで、始まる

と言っていいだろう。同時期に複数の同業の人はいたらしいが。

 

整体という言葉を作ったのも、野口先生だし、知名度や実績を考えれば

異論のないところだろう。

 

ただ、現在広く流通している整体というイメージとはだいぶ違う。

「歪んでいるから、矯正して、理想の型に押しこめばいいのだ。

正解=理想は一つなのだ。」という思想ではない。

 

むしろ、個人の身体の癖を認め 活かそうとする思想である。

つまり、歪みがあってもいいし、正解も無数にある。

 

私は、それが本当だろうと思います。

 

ちくま文庫に収録されている不朽の名著    野口晴哉著

1)整体入門

2)風邪の効用

 

今読んでも、眼から鱗 斬新さは感じられると思います。

 

◉ 総理大臣も務めた近衛文麿の長女にして野口晴哉先生の奥様

 野口昭子著 

1)整体法創始者の伝記

  回想の野口晴哉  朴歯の下駄  ちくま文庫

 

気品あふれる文体からは、彼女の性格や野口晴哉先生の性格まで

リアルに感じ取れる。奇跡的なエピソードが多いが、嘘ではない

説得力がある。そういう事実があったのだと、納得してしまった

覚えがある。野口晴哉先生自身の本は意外と読みにくい部分も多い

ので、分かりやすさ親しみやすい点でおすすめの本ですね。

 

 ◉ 弟子ではないが、宗教人類学、哲学、チベット仏教などの専門家

  永沢哲 著

1)野生の哲学 野口晴哉の生命宇宙  ちくま文庫

 

思想という視点で捉えた変わり種の本。しかし、野口晴哉先生の本質を知るには

単に治療家で、奇跡的だったという視点では収まり切らないのも事実。

そういう意味では、貴重な資料でもある。

 

東洋医学には、東洋思想が深く関わっている。(西洋医学といえども、西洋の思想が深く関わっていることと同じ。科学と言ってもやはり、西洋合理主義思想が基盤にある。すべての認識認知の基盤には何らかの思想 ものの見方考え方がある。これが、絶対に正しいというのは、思い込みである。)


野口整体も、東洋医学の範囲内であるから、東洋思想である。

しかし、細かく見れば東洋思想にも色々ある。(モヤモヤして分かりにくいのだが、

それで、何となくいいのだ。その割と自由な思想曖昧な枠組みの中で、みな独自に整理してスッキリさせようとするのだが。)

 

奇跡的に見える多くの現象も、当人にとっては、ある思想に基づいた技術であり、その実践であり、当然の結果なのである。しかし、我々凡人には、理解しがたい事も多い。その意味でも、技術系の多い整体法の本のなかで、その基盤となる思想を解説している本書は価値がある。

 

思想はそのまま自分に当てはまるわけではないので、結局自分なりに実践していくなかで、自分なりの思想を再構成するしかない。けれども、偉い人の思想は大いに参考になるのである。

 


◉ 野口晴哉先生の弟子でかつ野口三千三先生の弟子でもあった

三枝誠 著

 

1)整体的生活 ちくま文庫

2)仕事も人生もうまくいく整体的生活術

  身体は何でも知っている           アスペクト

 

二人の野口先生と、言われるらしい。もう一人が、野口体操で有名な

野口三千三先生である。東京芸大の体育の教授をしていて、芸大生に

かなりユニークなことをさせたと、本人が何かで書いていました。

この先生の考え方や実践は、また面白い。人間を骨組みで考えない。

水の袋だと考える。そう考えるとまた、身体の違う側面が見えてくる。

身体の可能性が広がる。ゆえに、芸術家やスポーツ選手にとっては

有効になる。もちろん、一般人にも可能性はある。

 

ちなみに、芸大つながりで、もう一人天才がいる。

三木成夫先生である。元々東大の解剖学の先生なのだが、発想が柔軟で

斬新で生前の著作は少なかったが、没後何冊も本が世に出たという人。

自然な進化観に基づく生物学は、未完成ながらも 私もかなり影響された。

 

ちなみに、東大の解剖学で養老孟司先生も有名だが、当然後輩というか

多分師弟関係だったのではないかと思う。

彼の「唯脳論」は、三木成夫先生の生物学を否定するもののように、同じ

弟子筋の先生からも批判されるが、私はそうではないと思う。何故なら

どこかで、三木先生は、「脳のことはやり残した。誰か後をやってくれ」

みたいなことを書いていたからだ。養老孟司先生は、それを、継いだので

はないか。つまり、二人の東大系の解剖学者は、対立するのではなく、

両方で一つの生物学 人体学を作ろうとしたと見るべきではないか。

私はそう思いたい。

 

脱線が過ぎたが、どうしても書いておきたかったので、悪しからず。

 

◉ 野口晴哉先生の最後の方の弟子

岡島瑞徳著

1)調息整体  BABジャパン

2)五感が息づけば からだは甦る! 新整体入門 宝島社

 

武道家でもあって、独自の視点で独自路線を歩んでいるが、

基本は野口整体であるという。お弟子さんの本を読むと

師匠である野口先生とのエピソードがたまに出てきて

なんとも言えない たまらない感じになる。

 

そういうエピソードの方が勉強になったりします。

 

◉ その岡島瑞徳先生のお弟子さん。つまり、野口晴哉先生の孫弟子。

河野智聖 著

 

緊急時の整体ハンドブック  ちくま文庫

 

災害時に生きのびるために! という副題もついている。

◉ 直接の弟子ではないが、「ゆがみを活かす!野口整体の思想をベースに独自の整体法を創りだした」という片山洋次郎先生の本

 

 直接の弟子からは、冷ややかに見られている節もあるが、まあこれはこれとして。

その著書には人柄の良さも感じられる。社会批評の読み物も普通に面白い。

 

1)整体楽になる技術  ちくま新書

2)骨盤にきく 気持よく眠り集中力を高める整体入門  文藝春秋刊

3)整体から見る気と身体  ちくま文庫

4)整体 共鳴から始まる 気ウオッチング  ちくま文庫

5)身体にきく 「体癖」を活かす整体法  文藝春秋刊

6)ユルかしこい身体になる   集英社

 

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